認知症について色々と調べていて、面白い記事を見つけた。

なんでも評点:頭の中が殆ど空洞化 、脳がわずかしか存在しないのに44歳まで普通に暮らしてきた男性という記事によれば、「生後6ヶ月のときに水頭症(脳水腫)を患い、脳圧が危険なレベルまで亢進したため、中の脳髄液を抜く手術を受けていた」男性が、脳細胞がわずかしか存在しない状態になってしまったにも関わらず、その後「普通に成長して大人になり、公務員の職に就き、結婚して2人の子供をもうけ、44歳の今日までごく普通の暮らしを続けてきたのである」。

ちなみに、その男性の脳組織の写真がこれ:

brain.jpg

右が正常な成人の脳組織、左が今回見付かった男性の脳の写真だ。

この写真を見る限り、この男性の脳細胞は少ないなんてレベルのものではない。記事のタイトルにもあった通り、脳細胞がわずかしか存在しない状態だ。

にも関わらず、この人物は、普通の生活を営んでいるらしい。IQは75ほどしか無いようだが、脳細胞量の比率から言えば、75という数字は驚異的に高いように思う。

さて、ここで認知症に話を戻す。

認知症の原因は、脳組織の萎縮、つまり脳細胞量の減少にあると考えられている。しかし、上記の男性の例を見ると、単純に量が減るということだけでは、説明がつかないのではと思われる。

正常な脳とアルツハイマー型認知症患者の脳を写真で比べるとこうなる:

brain2.jpg

先ほどの男性の脳と比べると、認知症の脳の方が、脳細胞の量は多いようにすら見える。いずれにせよ、やはり認知症は単純に脳細胞の量だけの問題では無いようだ。

ここでキーになるのは、件の男性は、生後6ヶ月の段階で脳細胞が減少したという点のように思われる。つまりこの男性は、脳細胞が少ない状態で成長し、教育を受け、知能を発達させたということだ。彼の脳は、この状態で正常に機能するように発達したのだ。

ということは、脳という器官には、脳細胞の量が少なくとも、ある程度正常に機能するポテンシャルがあるということになる。要は使い方の問題でしかないのだ。もしそのメカニズムが解明されれば、脳組織が萎縮しても認知症にならなくて済むようになるのかもしれない。

とはいえ、前回の記事でも書いたように、認知症の治療は、患者の死に対する恐怖を和らげること無しでは、拷問に加担することにしかならないことは変わらないわけだが。

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