Archive for the フランス Category

 昨年の暮れ、フランスの裁判所が「OrangeによるiPhoneの独占提供は違法」との判断を下した結果、フランスでは今年の春頃から他のキャリアからもiPhoneが提供される見通しが出てきました。

 

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L’iPhone 3G avec des forfaits SFR, Bouygues Telecom et Virgin Mobile(フランス語)という記事によると、昨年の12月24日の段階から、一部の携帯ショップでOrange以外のキャリアのSIMカードが搭載されたSIMロック解除済みのiPhoneを販売していたようです。

また、SFRというキャリアでは、iPhoneのためにSFRを解約してOrangeに移行した場合、そのiPhoneをSFRに持ってきてくれれば、Orangeへの解約料を払い戻した上で、無料でiPhoneのSIMロックを解除、再びSFRに戻せるというとんでもないキャンペーンを年末までやっていたようです。

いずれにせよ、こうしたまどろっこしいものではなく、SFRやBouyguesといったキャリアから正規のiPhoneが出てくることになりそうです。その場合、そもそもSIMロックが最初から無い端末が出回るのかも興味深いです。

フランスは地理的にも経済的にもヨーロッパの中心にあるので、フランスでの独占キャリア制が崩れると、ヨーロッパの他の国にも色々な影響が出ると予想されます。特にSIMフリーの端末が出回るのであれば、ドイツやイタリアといった周辺諸国にも少しずつ流出するでしょう。

(追記:その後調べてみたら、イタリアやドイツではもとからSIMフリーの端末が流通しているようです)

とりあえず、次世代携帯の覇権争いはヨーロッパが一番激しい国になりそうです。

それにしても、日本の置いてけぼりっぷりが本当にやばい事になってきましたね。「ひつじのしつじ」とかやってる場合じゃないですな。技術だけならぶっちぎり世界一のはずなんですが。もったいない…

ヨーロッパでは、携帯電話普及の当初からSIMカードが使われており、同一の端末を異なるキャリアのネットワークで使える環境だった上に、日本でも去年始まったナンバーポータビリティー制度が早くから導入されたため、端末とキャリアが固定されている日本とは全く違う状況になっている。

MVNOに関して言えば、90年代後半の段階からすでにその動きが始まっていて、一番の成功例であるVirgin Mobileがイギリスで登場したのは1999年。

2003年には、欧州委員会がEU加盟国に対して、自国の電話市場における特定企業の独占状況を見直すよう通達を出し、その影響で、多くの国でそれまで不可能だったMVNO参入を可能にする法律が整備された。

それを機に、多種多様な企業がMVNOとして参入し、今では大手小売チェーンのカルフールといった企業からも、独自の料金プランのサービスが提供されている。

以上のような経緯から、欧州では、どの端末を使うかと、どのキャリアの料金プランを選ぶかは、ほぼ切り離されているため、自分が好きなデザインの端末を、自分の使い方に一番合った料金プランを提供するキャリアで使うという(例えば、905i端末を、AUの誰でも割で使うみたいな)日本では考えられないような自由度がある。

日本では、端末の根幹に関わる特許をキャリアが保有しているなど、色々と特殊な事情があるため、ヨーロッパのような状態になることはしばらくは無いと思うが、もしそのような状況になれば、ディズニーモバイルのような事例はもっと多く出てくることになるだろう。

今回は、フランスで今起こっている暴動に関連して、日本のメディアではあまりその実像が伝えられていない、暴動の背景について。

この暴動が起こった地域を、フランス語ではシテ(Cite)と呼び、貧困街みたいになっている。HLMというボロボロの国営団地が立ち並んでい て、治安の悪さはトップレベル。基本的に、地元民以外が足を踏み入れることは無い。というか、知り合いでもいない限り、怖くて行けないし、そもそも行く必要性が無い。

で、シテの生活環境はかなり劣悪。とにかく汚い。大抵の住宅は2~30年前に建てられたものなのだが、その壁は排気ガスのせいで黒ずんでいて、塗装はは がれまくり。取り壊されずに放置された倉庫跡やらが点在していて、そういった場所は窓も割られ、完全に廃墟になっている。

あと落書き。半端じゃない。街中の壁はもちろんだが、先ほどのHLM団地の入り口なんかは、何か呪術的なまじないかと思えるほどに、びっちりと落書 きで埋まってたりする。建物だけじゃなく、トラックなんかも落書きだらけ。他にも、高速道路の看板や、歩道橋の側面など、けっこう命がけでやったで あろう場所にも落書きされている。

先ほど治安も悪いと書いたが、日本とはレベルが違う。とりあえず、いい服を着てこの地区に足を踏み入れるのは、腹を空かしたライオンの檻に飛び込 むようなもの。あっという間に囲まれて、金目の物は靴まで全部持ってかれる。少しでも抵抗しようものなら、良くてぼっこぼこ、悪いと刺される。ア メリカと違って銃は殆ど持っていないのが、せめてもの救いである。

当然のことながら、麻薬もガンガンだ。基本は大麻かチョコで、多分12~13歳くらいから吸っている。喫煙率=麻薬使用率と考えていいかと。ただ、これ は何もこの地域に限ったことではなくて、フランスの若者でタバコ吸う人は、大抵ハッパも吸ってる。でも、シテの若者は単なる消費者じゃなく、売っている。そう、ディーラーである。

そういった若者達(フランス語ではRacaille、ラカイユと呼ぶ)の多くは、義務教育すらまともに受けていない。中学生くらいになると、近所の悪いお兄ちゃん達についていって、学校サボって強盗したり、麻薬売ったりするようになるわけだ。

また、近年このシテで問題になっているのが、集団レイプである。ラカイユの少年達はそれをTournanteと呼んでいる。意訳すると、「輪しっこ」と いった感じだろうか。その語感からも見て取れるように、彼らはその行為に対して、殆ど罪の意識がない。女はやられたがっていると、本気で信じ込ん でいるのである。「いやよいやよも~~」とかいうレベルじゃない。

またラカイユ達は、何もずっとシテに閉じこもっているわけではない。普通にパリ市内にも出没し、万引きしたり、カツアゲしたり、車盗んだり、麻薬売ったりしている。

そんな彼らが一番ノリノリになるのが、大晦日。みなさんの中にも、テレビでフランスの新年の様子を見たことがある方もいるかと思う。きれいにライ トアップされたシャンゼリゼ、エッフェル塔での花火、どれもすごく素敵である。しかし、午前1時をちょっと過ぎたあたりから、シャンゼリゼやエッフェル塔は 超危険地帯になる。ラカイユ達の無礼講である。

人ごみの中に発煙筒を投げ込んだり、「明けましておめでとう!」とか叫びながら車の窓を割ったり、何も知らない観光客を無意味に殴ったり、好き放題である。
ちなみに、なぜ午前1時を過ぎたあたりからかというと、これは別に年が変わるのを待っているわけではなく、それくらいになると周辺を警備している機動警察がいなくなるからだ。

とまぁ、かなり大雑把ではあるが、以上が今回の暴動騒ぎの中心にいる若者達の実態である。

これだけ書くと、単に彼らが悪いとしか思えないですな。しかし、その裏には、フランス社会が抱える大きな問題があるのも、また事実なのである。が、もうだいぶ長くなってきたので、それはまたの機会に。

日本人は漫画が好き。これは疑いようの無い事実である。確かに、外国でも日本の漫画は大変人気があり、そのクオリティーの高さには定評がある。内容的にも、大人にとって読み応えのある作品が数多く存在する。

しかし、フランス人からして見れば、大人が漫画を読みふけっている姿はやはり異様に見えてしまう。特に、電車の中や食堂など、公共の場で読む人達。フ ランス人的感覚で言うと、漫画というのは子供の読むもので、そういった意味では絵本とあまり差がない。最近は、大人向けのものも出てきたようだ が、読み物というよりはコレクションアイテムとしての意味合いが強く、間違ってのも周りに大勢人がいるような場所で読むようなものではないのである。

あなたは、電車で向かいの席に座ったサラリーマンが、「小学一年生」を夢中になって読んでいるのを見たら、どう思うだろう?ちょっと変に思わないだろうか?多 くの欧米人にとって、例えそれが青年誌であっても、漫画を読んでいるサラリーマンというのは同じくらい変に見えているのである。身に覚えのある方、海外に行かれ た時はご注意を。

「仏大手流通カルフール日本撤退へ」

カルフールというのは、かのウォルマートに次ぐ世界第2位の流通業者。ヨーロッパを中心に、アジア、南アメリカと、世界中に店舗を進出し、昨年度の総 売上は12兆円近くにのぼる。そんな超大手が、日本市場から撤退する。その裏には、フランス人から見れば「不思議」と言わざるをえない、日本の消費者 の嗜好性が関連している。

フランスでしばらく生活した人ならば、知っているかもしれないが、向こうのスーパーは日本のものと比べ、かなり品揃えが悪い。それは、欠品している という意味ではなく、そもそも置いてある品数が少ないということ。例えば、ティッシュペーパー。基本的に、フランスのスーパーには、Kleenexというティッシュしか置いてない。むしろ、ティッシュペーパーのことをKleenexと呼ぶくらいである。

フランスでは、このようにメーカーの名前が、そのままある製品の固有名詞として使われていることが良くある。ティッシュの他には、Bicというボールペン メーカーが有名。最近でこそ、日本製の文房具が大量に輸入され、選択の幅は広がったが、ちょっと前まではボールペンと言えばBicしかないような 状態だった。その名残か、未だにボールペンのことをstylo Bic (Bicペン)と呼ぶ。

このように1種類しかないというのは、確かに極端なケースだが、それでもフランスのスーパーで一つの製品(マヨネーズなり、洗剤なり)が、3種類以上置 いてあるというのは稀である。これは、特に小さいスーパーに限ったことではない。むしろ、殆どの製品は3種類どころか、基本的には2種類しか置いてな いことが一般的である。

その2種類とは、「一番人気のあるメーカー」と、「一番安いメーカー」。要するに、フランスのスーパーでは、殆どの商品において、「超定番」と「激安 品」しか扱ってないのである。そして、フランス人からすれば、それはごく当然であり、そこに何の不満も感じない。お金があれば定番のものを買い、それが無 理なら安い方を買う。それ以上のものが欲しければ、専門店に探しに行けばいい。

しかし、日本は違う。フランスに留学していた時、1年ぶりくらいに日本に帰ってきてスーパーに買い物にいったら、あまりの品数に気持ち悪さすら感じた記憶がある。フランスとは比べ物にならないほど豊富な種類の商品が、それこそ目一杯ぎゅうぎゅう詰に陳列されている。醤油一つ取っても、何十年前からの定番と なっているキッコーマンから、有機大豆で作られたものまで、どんな小さなスーパーに行っても、大抵5~6種類は置いてあるだろう(100円ショップなどで は、ちょっと事情が異なるだろうが)。

しかし、そんなに種類がある中で、本当に売れるのは1つか2つだけ。製品によって若干異なるが、大抵は一番売れる商品が売上の70~80%を占めて いるそうだ。そうなると、小売業者としては、一番売れている商品だけ置いておければ理想的である。そうすれば、無駄な仕入れもしなくて済むし、余計な在庫を 抱えるリスクも減る。現に、カルフールも日本に来た当初は、そうした対応を取った。しかしその結果、一番売れていた商品の売上が減ってしまったという。

カルフールのスタッフは頭を悩ませた。売れない商品を棚からなくしたら、それまで売れていたはずのものまで売れなくなった。そこに、理論的な関係性はなかなか見出せない。しかし、しばらくして彼らは気付く。「日本人は選択肢を望む」ということを。

殆どの消費者というのは、醤油ならこれ、マヨネーズはこれ、といった決まった好みを持っていて、それが変わることは殆どない。キッコーマンを買う 人は、よほどのことが無い限り、他のメーカーのものを買うことは無い。しかし、お店に行った時にキッコーマンしか置いてないと、なぜか不満を感じる 。ちゃんと目的のものは見付かったのに、それ以外のものが置いてないと、「あのお店は品揃えが悪いから」と感じ、来なくなってしまう。

いやぁ、不思議である。探していたものが見付からないなら分かる。そりゃフランス人だって、欲しいと思っていたものがお店に置いてなければ、腹は立つ。むしろ、そこら辺の店員捕まえて不条理に切れるだろう。でも、日本の消費者は違う。探してたものあったじゃん!他のものなんか無くったって関係ない じゃん!という理屈は通じない。

そしてそれは、醤油だけではなく、マヨネーズ、清涼飲料、缶詰、スナック菓子…その他あらゆる製品に関して、同じことが言える。これは実際にカル フールで働いていた人から聞いたのだが、カルフール・ジャパンは8店舗しかないにも関わらず、大小合わせて1000店舗以上展開しているカルフール・フ ランスの2倍近いアイテム数(商品の種類)を扱っていたんだそうだ。

こうした品揃えの特殊性以外にも、しっかりとした接客が必要だったり(フランスのスーパー店員に「接客」という概念はない、ってくらい感じ悪い)、 ライバル店が異常にいっぱいいたり、とてもついていけないようなハイペースで新商品が出たりと、日本の消費嗜好というのは、フランス企業にはなかなか捉え きれなかったわけだ。

もちろん、無駄に店舗がでかかったり、どうしようもないほど交通の便の悪い場所にあったりと、カルフールが抱えていた問題点は他にもたくさんあるが、やはり日本の消費者の欲求を理解できなかったというのが、最大の敗因ではないかなと、私は思う。

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